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"使いやすさ"でフォントを選ぶ
2017/08/28
眠れない時にいつも書いているフォント考察記事。
明日のことがあるので、今回はちょっと雑になるかも。



――いろんなフォントの使用例を見ていると、デザインにばかり目がくらみ、“使いやすさ”でフォントを選んでいないな、と感じることが多々ある。

デザインも大事だけど、そもそもフォントって、全ての文字が同じルールでデザインされているのが理想的。
和文のデザインは良くても、英数字や記号類のデザインがいまいち和文と混在した時に馴染まないなぁと思うこともある。
どういう文字が混在しても良いように、全ての文字をバランス良く、同じルールでデザインするのがフォントだと僕は思っている。
それは極端な話、あるフォントで「あいうえお」と文字を入力してみたら、「あい」はゴシック体だけど、「うえお」は明朝体だったら駄目なわけだ(笑)。(そういうふうに意図して作ったのなら別として)


少々使いづらくても、文字組のテクニックがある人なら、字間や行間、紙面にどうレイアウトするか、などを熟慮して、上手に組んで見せることもできる。
しかし僕は、そんなことを深く考えなくても(高度な文字組ができるアプリや技術がなくても)、それなりにきれいに組めるよう作られたフォント……それこそが、フォントには重要と考える。
デザインが良くても、素人が文字を組んでみたらダサくなった…では本末転倒だ。

…そもそも、フォントのデザインに正解はない。(「フォントの」デザインに限った話ではないね)
だから、そのフォントを長く愛用するなら、デザインはそこそこでも、使いやすさに長けたフォントを選ぶ、ということも大切ではないか?と思うわけだ。


じゃあ僕が思う使いやすさとは何かというと…

①どうにも使いづらい文字が多く存在しないか?
これはどんなフォントにも存在する。しかし、「自分の好きな(デザインの気に入った)フォント」というだけで、使いづらい文字をも安易に許容してしまいがちだ。どんなにきれいに作られたフォントでも、「全体的にはこんなにデザインが良いのに、なぜこの文字だけ?」ってくらい、視認性や可読性に欠ける文字は割と高い確率である(人間が作っているものだからね)。それを自分の中で許せるかどうか…?を冷静に判断することが大切。

②和文と欧文を混在させた時にバランス良くきれいに組めるか?
フォントや用途にもよるが、例えばキャッチコピーなどであれば、和文と欧文の天地がきれいに揃っているのが理想的。(ただ、本文で長々と組むなら、漢字よりかなや英数字が少し小さかったりした方が読みやすいこともあると思うが)和文と欧文の天地を揃えるのは、意外と面倒なこともあるので、「手作業(テクニック)で揃っているように見せれば良いや」という割り切り方は、僕はあまり好きではない。

③記号類は実用性の高い作りになっているか?
これは意外と見落としがち。三点リーダー「……」やダーシ「――」(罫線で代用したり、水平・垂直比率を200%程度に伸ばしたりで納得する人もいるけど)を並べた時に繋がるか?など。

④OTFのプロポーショナルメトリクス(もしくはTTFの可変幅フォント)を用いて、字幅に違和感なくきれいに組めるか?
字幅は自分でも調整できるけど、本文で使うとなると、メトリクスに頼った方が効率が良いことも多い。OTF(プロ仕様)でも、メトリクスがあまりあてにならず、きれいに組めないフォントってたまにある。

――たぶん、プロの方々はそんなこと当然のごとく気を遣っているのだろうけど、それでもたまにただのフォント好きの素人の僕でもヘタクソだと思う酷い文字組を見かける…。
そんな文字組を見ていると、そのフォントの特性をてんで理解していないな、と思うことがよくある。


フォントを購入したら、いきなり自分が思っている目的の用途で使わず、まずはいろんなパターンで文字を組んでみて、そのフォントの特性(良い点・悪い点、どういう使い道が向いているか?)を知ること(=そのフォントと仲良くなること)が大切ではないか?
フォントのデザインばかり重要視し、デザインに惚れて買ったり使ったりすると、“使いやすさ”を見失いがちだ。

残念ながらこの点は、購入してみなければわからない面が大きい。
しかし、実際にフォントに触れないとどうしてもわからないので仕方がないのだ。


デザインももちろん大事だけど、同時に使いやすさも見て、フォントを選んで欲しいと思う。
その“使いやすさ”をどう判断するかは結局ユーザーに委ねられるんだけど、その人が組んだ文字を読む側への一定の配慮は必要だね。


以上、ィヨロシク!!
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