写研に未来はあるのか? 2016/10/24
2021年1月、「モリサワ OpenTypeフォントの共同開発で株式会社写研と合意」という発表がありました。以下の記事は、2016年10月現在に僕が思っていたことを書いたものですので、予めご了承願います。
Twitterでちょこちょこつぶやいたことがあることだけど、ちょっとまとめたい。
2011年7月、年内をめどにOTFをリリースすると宣言した写研。しかし、この2016年秋になっても、何の音沙汰もない。
以前Twitterで取ってみたアンケート。写研は2020年東京オリンピックの頃までにはOpenTypeフォントを・・・
— takumi@就活終了 支援センター利用 (@yalove1994) 2016年9月29日
少ないようだが、むしろ、「24%も期待している人がいるんだ!?」と…。
現実的にはどうだろう。
写研は今後、OTFをリリースすることができるだろうか?
僕は、仮にリリースできたとしても、かつてほどの地位は築けない。これは間違いないと思う。(それができるほどのベンダーなら、PSフォントやTTFが主流の時代からフォントをリリースできていたはずだ)
僕が思う、3つの問題点を挙げてみる。これらをクリアできれば、写研にもある程度の可能性があるかもしれない。(無理だろうけどね)
①移行期(写植→DTP)から時間が経ち過ぎ!
写植からDTPに移行するにあたり、フォントもDTP用のそれに変更することを余儀なくされた時代があった。(僕はその頃赤ん坊だったから知らない所もあるけど)「ゴナ→新ゴ」、「ナール→スーラ」なんて定番だよね。
この移行期に上手に写研がデジタルフォントをリリースしていれば、写研はほぼ間違いなくかつてと同じ地位が得られただろう。モリサワがその決断をして成功しているよね。(だから写研も行けたのでは、は安直か…)
しかしながら、そんな移行期ってものはとっくに過ぎて、皆とっくに新ゴやスーラを使い慣れてしまっている。もう写研の代替フォントをどうするかと考える時代ではないのだ。
写研フォントを知らないデザイナーも多いだろうから、そういった人達は、写研をどう見るだろう?写研が仮にモリパスのような販売方法でOTFを提供し始めたとして、果たして契約してまで使ってくれるだろうか?(そういう人達からしたら)突然登場した得体の知れないベンダーのフォントを。
②ユーザーサポートに不安!?
僕が「何で!?」とずっと思っていたこととして、2011年に写研はOTFをリリースすると宣言したにもかかわらず、それまで立ち上げていなかった公式サイトを立ち上げなかった所だ。
本当にこの年内にリリースする気があるなら、公式サイトを立ち上げて、リリースまでの進捗を報告することができるよね。
「2011年7月7日から開催された第15回国際電子出版EXPOにおいて、OpenType化した写研フォントを年内をめどにリリースすることが発表された。」
そもそもこんなイベントでだけリリースの宣言をして、より多くの人が見るであろう、真っ先にそこから情報が得られるであろうWebサイトすら立ち上げずにこれは、かなり独りよがりではないだろうか?
こんな写研が、(一部の情報によれば)モリパスに準じた販売方法をして、ユーザーサポートをしていけるのか、不安で仕方がない。フォントが手に入れば良いってものじゃないんだよ。売り切り制のパッケージフォントやダウンロードフォントでもユーザーサポートって大事だし、契約販売となればなおさらでしょ?
③最新のフォント技術に対応できるの?
情報が少な過ぎてわからない所が多いけども、写研が仮にOTFリリースだけを目標としているとしたら、それだけでは足りないよね。写研フォントが使えるWebフォントサービスを作ったり、(僕は好きじゃないけど)基本書体をUDフォント化したりと、流行りに乗っていけるかどうか?DTPだけでなく、放送業界やゲーム業界に特化したサービスやフォントを作ったりできるだろうか?
現状で1書体もOTFをリリースできていない写研が、そういったフォントの最新技術に対応していけるのだろうか?ただOTFをリリースするだけでは、モリサワ、フォントワークス、ダイナコムウェアなどのような大手フォントベンダーには追い付けないと思うぞ。僕は。
――さて、問題点を挙げてみたが、どうだろうか。
現在新ゴやスーラが使われている場面で、写研フォントがリリースされたことにより、ゴナやナールが使われるようになる…なんてことが、これから先の未来あるのかね。新ゴやスーラの代替フォントとして…という考え方は少し違うかもしれないが、それくらい、それらのフォントに勝負を挑むくらいのつもりで行かないと、今後の写研は零落する一方だと思う。
以上、ィヨロシク!!
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2021年1月、「モリサワ OpenTypeフォントの共同開発で株式会社写研と合意」という発表がありました。
以下の記事は、2016年10月現在に僕が思っていたことを書いたものですので、予めご了承願います。
Twitterでちょこちょこつぶやいたことがあることだけど、ちょっとまとめたい。
2011年7月、年内をめどにOTFをリリースすると宣言した写研。
しかし、この2016年秋になっても、何の音沙汰もない。
以前Twitterで取ってみたアンケート。
写研は2020年東京オリンピックの頃までにはOpenTypeフォントを・・・
— takumi@就活終了 支援センター利用 (@yalove1994) 2016年9月29日
少ないようだが、むしろ、「24%も期待している人がいるんだ!?」と…。
現実的にはどうだろう。
写研は今後、OTFをリリースすることができるだろうか?
僕は、仮にリリースできたとしても、かつてほどの地位は築けない。これは間違いないと思う。
(それができるほどのベンダーなら、PSフォントやTTFが主流の時代からフォントをリリースできていたはずだ)
僕が思う、3つの問題点を挙げてみる。
これらをクリアできれば、写研にもある程度の可能性があるかもしれない。(無理だろうけどね)
①移行期(写植→DTP)から時間が経ち過ぎ!
写植からDTPに移行するにあたり、フォントもDTP用のそれに変更することを余儀なくされた時代があった。(僕はその頃赤ん坊だったから知らない所もあるけど)
「ゴナ→新ゴ」、「ナール→スーラ」なんて定番だよね。
この移行期に上手に写研がデジタルフォントをリリースしていれば、写研はほぼ間違いなくかつてと同じ地位が得られただろう。
モリサワがその決断をして成功しているよね。(だから写研も行けたのでは、は安直か…)
しかしながら、そんな移行期ってものはとっくに過ぎて、皆とっくに新ゴやスーラを使い慣れてしまっている。
もう写研の代替フォントをどうするかと考える時代ではないのだ。
写研フォントを知らないデザイナーも多いだろうから、そういった人達は、写研をどう見るだろう?
写研が仮にモリパスのような販売方法でOTFを提供し始めたとして、果たして契約してまで使ってくれるだろうか?
(そういう人達からしたら)突然登場した得体の知れないベンダーのフォントを。
②ユーザーサポートに不安!?
僕が「何で!?」とずっと思っていたこととして、2011年に写研はOTFをリリースすると宣言したにもかかわらず、それまで立ち上げていなかった公式サイトを立ち上げなかった所だ。
本当にこの年内にリリースする気があるなら、公式サイトを立ち上げて、リリースまでの進捗を報告することができるよね。
「2011年7月7日から開催された第15回国際電子出版EXPOにおいて、OpenType化した写研フォントを年内をめどにリリースすることが発表された。」
そもそもこんなイベントでだけリリースの宣言をして、より多くの人が見るであろう、真っ先にそこから情報が得られるであろうWebサイトすら立ち上げずにこれは、かなり独りよがりではないだろうか?
こんな写研が、(一部の情報によれば)モリパスに準じた販売方法をして、ユーザーサポートをしていけるのか、不安で仕方がない。
フォントが手に入れば良いってものじゃないんだよ。
売り切り制のパッケージフォントやダウンロードフォントでもユーザーサポートって大事だし、契約販売となればなおさらでしょ?
③最新のフォント技術に対応できるの?
情報が少な過ぎてわからない所が多いけども、写研が仮にOTFリリースだけを目標としているとしたら、それだけでは足りないよね。
写研フォントが使えるWebフォントサービスを作ったり、(僕は好きじゃないけど)基本書体をUDフォント化したりと、流行りに乗っていけるかどうか?
DTPだけでなく、放送業界やゲーム業界に特化したサービスやフォントを作ったりできるだろうか?
現状で1書体もOTFをリリースできていない写研が、そういったフォントの最新技術に対応していけるのだろうか?
ただOTFをリリースするだけでは、モリサワ、フォントワークス、ダイナコムウェアなどのような大手フォントベンダーには追い付けないと思うぞ。僕は。
――さて、問題点を挙げてみたが、どうだろうか。
現在新ゴやスーラが使われている場面で、写研フォントがリリースされたことにより、ゴナやナールが使われるようになる…なんてことが、これから先の未来あるのかね。
新ゴやスーラの代替フォントとして…という考え方は少し違うかもしれないが、それくらい、それらのフォントに勝負を挑むくらいのつもりで行かないと、今後の写研は零落する一方だと思う。
以上、ィヨロシク!!
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